フリーランスに必要な源泉徴収の税金計算方法を解説!個人事業主が法人化するメリットデメリット

フリーランスが絶対知るべき源泉徴収と税金の計算方法を解説!個人事業主が法人化するメリットデメリット フリーランス

IT系エンジニアの中には、フリーランスで働く人が増えてきています。

フリーランスとして報酬を得る際、開業届を提出すれば個人事業主化すると税制面などで優遇が受けられるようになります。

個人で開業したんだ!という意識も芽生えて、より仕事にもやる気が出るはずです。

さらに頑張って安定した仕事の受注ができるようになってきたら、法人化を考えてみるタイミングかもしれません。

個人事業主でいるより法人化した方がお特なのか?損なのか?法人化するメリットとデメリットとは?

気になるポイントについて説明していきます!

個人事業主が法人化するタイミングはいつがベストなのか?

個人事業主が法人化するタイミングはいつがベストなのか?
ブラキャリ
法人化して得するならぜひともやってみたいという方も多いのでは?

では早速、個人事業主として活動するフリーの方が、法人化を検討するタイミングはいつがいいのか?その疑問についてを解説していきます。

覚えておきたい言葉「法人成り」

「法人化」という言葉の方がよく耳にするような気がしますが、個人事業主が法人になることを「法人成り(ほうじんなり)」と言います。

具体的には株式会社や有限会社を設立することですね。

フリーランスエンジニアとして法人成りするにしても、個人商店を経営するために法人成りするとしても、同様の手続きをとることになります。

年収800万を超えたあたりが法人成りのタイミング!

法人化するかどうか、タイミングを考える1つの目安となるのが利益額です。

一般的に、事業で出た利益が800万を超えたあたりで法人成りを検討すると良いと言われています。

これは、税制面で所得税を支払うより法人税を支払った方が得になるからです。

事業以外での収入の有無や所得控除によって条件は変わってきますので、一概に所得800万を超えたら法人成りするとお得になりますということでは無いのですが、

年間所得額が800万〜1,000万を超えたタイミングで法人化するフリーランサーが多いようです。

法人化するメリットとは?

それでは、法人格にすることの具体的なメリットを見ていきましょう。

税制面でお得になる

ある程度の収入がある場合、法人化することで税金を抑えることができる点が一番のメリットと言えるでしょう。特に、

  • 所得税より法人税の方が安い

という点がポイントとなってきます。

一定額以上の利益がある場合、個人で所得税を支払うより法人化して法人税を支払った方が税率が低くなります。

所得税というのは累進課税なので、収入が増えるほど増額します。

対する法人税は一律税率です。もう少し詳しく説明すると、所得税は所得額に応じて5〜45%の7段階で税率が決められています。

年収900万円以下なら税率23%、900万円〜1,800万円以下だと税率33%となります。

法人の場合税率はほぼ一律で、所得800万円以下なら15%、800万超えは23.4%です。

ある程度の収入が見込めるようになってきたら、所得税を払い続けるより法人化して法人税を払った方が節税できるというわけですね。

  • 消費税の納付が2年間免除になる

所得が1,000万超えの場合、個人事業主でも消費税を支払わなければなりません。

法人化すると2年間は消費税が免除となります。

2019年10月から消費税は10%に上がりましたし、2年間も消費税が免除されるというのはかなり大きなメリットですよね。

経費計上面でメリットが多い

経費が多く使えるのも大きなメリットとなります。

  • 給与所得控除が使える

法人化して設立した会社から役員報酬として給与をもらうことができます。

売り上げから必要経費と給与所得控除(役員報酬の一定金額)を差し引いた額に課税されることになるので、税がかかる所得を小さくすることができます。

  • 家族に給与を支払うことも可能

個人事業主だと、原則家族への給与の支払いはできません(税務署へ届け出を出している場合は可能)。

法人化すると、家族を従業員として雇うことができます。家族に給与を支払いその給与分を経費に計上することで、さらに税がかかる所得を小さくすることができます。

また、社長(自分)や従業員として雇った家族が退職する際には退職金が支払われることになり、この退職金分も経費に計上できます。

  • 社会保険に加入でき、保険料が経費計上できる

個人事業主の場合社会保険料は一定額までしか控除の対象になりませんが、法人化してしまえば
社会保険料の半額または全額が経費に計上できるようになります。

さらに節税対策ができるというわけですね!

(社会保険加入が義務になる点に関して、下で少し詳しく説明しています。)

  • 福利厚生費も経費計上可能

条件付きではありますが、家族を従業員として雇っている場合には家族旅行の費用を「慰安旅行」の名目で経費に計上することが可能になります。

社会的な信用度が高くなる

一般的に、個人事業主よりは法人化した株式会社の方が社会的な信用度は高くなります。

法人化による信用度UP事例
・仕事の受注がしやすくなる(大手企業には法人としか取引しない、個人はNGというところもあり。)
・資金調達が楽になる(金融機関からの融資が受けやすくなる)
・優秀な人材が集まりやすくなる

といったメリットが挙げられます。

決算日を自由に決められる

個人事業の場合、事業年度は1月〜12月まで、翌年の2月半ばから3月15日に一年分の確定申告をすることが決められています。対して法人の場合は、決算月を自分で自由に決めることができるのです。繁忙期と決算事務が重ならないよう調節できるのは便利ですよね。

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法人化するデメリットとは?

次に法人化した際に大変になるデメリットを詳しくみていきます。

登記手続きに時間とコストがかかる

株式会社設立のためには、定款作成と登記が必要です。

定款認証費用と登録免許税は合計で安くても20万円程度のコストがかかります。

さらに、会社設立のための資本金も必要です。

登記の手続きは個人事業主の開業届と比べると煩雑で、専門的な知識も必要になります。

司法書士などに法人化のための手続きをサポートしてもらうとすると、内容によりますが数万円から数十万円の依頼料がかかります。

法人化するための手続きには時間とお金がかかるということですね。

財務関連の処理が複雑化

法人化すると、公的に提出しなければならない書類などが増えるので事務処理が煩雑になります。

会計や財務に関する知識を自分で学ぶか、会計士や税理士に仕事を依頼しなければならずその分のコストがかさんでしまいます。

社会保険加入が義務になる

法人化すると、社長(自分)と従業員(家族を含む)の社会保険(健康保険+厚生年金保険)加入が義務となります。

国民健康保険+国民年金に加入する場合と比較すると、社会保険の保険料は割高になります。

もっとも、厚生年金は受給できる額が国民保険と比較して大きいので、損得でどちらが良いかということは言えません。

自分と従業員(家族)の社会的な保証制度がきちんと整うわけですから、メリットの要素もありますよね。

お金が自由に使いにくくなる

個人事業主は上限なく、使ったお金を交際費に計上することができますが、法人化すると上限が設定されることがあります。

会社の財産と個人の財産は別物と捉えられ、自分の会社であっても会社のお金は会社のもの。自由に使うことができなくなります。

赤字でも税金を支払わなければならない

法人は地方自治体に法人住民税を支払う義務があります。たとえ売上が赤字になってしまっても、この法人住民税は毎年支払わなくてはなりません。

税務調査が入りやすくなる

一般的に、個人事業主よりも法人の方が税務調査の可能性が高くなります。

個人事業主には絶対に税務調査が入らないというわけではありませんが、確率的には規模の大きい法人の方が高くなりますね。

黒字経営の会社や利益が急に増えている会社、また税理士や会計士がいない会社なども税務調査に入られやすいと言われています。

法人化の良し悪しは、売上額がカギになる

フリーランスや個人事業主より、法人化した方が税制面で得だ!

ということはよく言われていますが、実はどんなパターンでもお得になるわけではないということも覚えておきましょう。

「所得が800万〜1,000万以上なら法人化した方が得」と言われますが、事務処理に膨大な時間やコストがかかることを考えると、完全に1人で事業を行なっている場合は個人事業主のまま止まった方が良いということもあります。

個人事業主のまま事業を続けるのと、法人化するのと、どちらの方がメリット面が大きくなるのかよく検討してみることが大切です。

フリーランスの源泉徴収は理解できれば簡単!

「請求書は源泉徴収を記載してください」

このようにクライアントから言われた経験があるフリーランスの人は多いのではないでしょうか?

そして、その中には「源泉徴収ってなんだ?」「どうやって計算すればいいのか分からない!」と悩んだことがある人も多いはず。

フリーランスだと、仕事だけでなく経理も自分で行う必要がありますよね。そのため、源泉徴収の意味や請求書への記載方法を知っておかなければなりません。

そこで、今回は源泉徴収に関する基本情報や請求書への記載方法、確定申告との関係などについて解説していきます。

税金関係のことになるとつい身構えてしまいそうですが、一度理解してしまえば簡単。また、確定申告の際に還付されることもあるため、しっかり覚えておきましょう!

源泉徴収は便利な制度である

源泉徴収は便利な制度である
そもそも、源泉徴収がどのようなものか分からないという人も多いでしょう。

まずは、源泉徴収とはどのような制度なのか、どのような人がどのように徴収されるのかということについて詳しく見ていきましょう。

源泉徴収とは?

源泉徴収とは、クライアントがフリーランスの報酬からあらかじめ天引きして、フリーランスの代わりに納税してくれるシステムのこと。

会社員の場合も同様に、会社が給料から天引きして納税します。

しかし、源泉徴収の金額はざっくり計算されます。

そのため、フリーランスであれば確定申告を、会社員であれば年末調整を行って金額を調整する必要があるのです。

そして、多く支払っている場合は還付され、足りない場合は追加納税をする必要があります。

どんな人が源泉徴収をされるの?

源泉徴収が対象となる例を見てみましょう。

源泉徴収対象となるもの
・会社員の給与
・原稿料や講演料(賞金などで5万円以下の場合を除く)
・弁護士や公認会計士などの資格を持つ人の報酬
・社会保険診療報酬支払基金が支払う報酬
・プロスポーツ選手やモデル、外交官の報酬
・芸能人の報酬
・バンケットホステスやコンパニオン、ホステスなどの報酬
・プロ野球選手の契約金
・馬主に支払う競馬の賞金

また、WEBフリーランスで源泉徴収が必要なのは、以下のような職種です。

・WEBライター
・WEBデザイナー

より詳しく知りたいという人は国税庁のサイトをチェックしてみてくださいね。

⇒国税庁 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

源泉徴収の計算方法は?

次は、源泉徴収の計算方法について解説します。

支払金額が100万円以下の場合と100万円を超える場合とでは計算方法が異なるので順番に見ていきましょう。

【100万円以下の場合】
支払金額が100万円以下の場合、源泉徴収の金額が支払金額の10.21%です。
つまり、支払金額が10万円の場合だと……
・100,000円×0.1021=10,210円
源泉徴収の金額は10,210円になります。
【100万円を超える場合】
支払額が100万円を超える分に関しては20.42%。「100万円を超える場合、全額20.42%」ではなく、「100万円以下は10.21%、100万円を超えた分は20.42%」なので注意してください。

つまり、支払額が120万円だと……

100万円以上の源泉徴収金額
・《100万円までの分》1,000,000円×0.1021=102,100円
・《120万円を超えた分》(1200,000円-1,000,000円)×0.2042=40,840円
・《合計》102,100円+40,840円=142,940円

源泉徴収の金額は142,920円になります。

【端数がでる場合】
支払額によっては、端数が発生する場合があります。その場合は、小数点以下は切り捨てます。

例えば、支払額が55,000円の場合だと……

・55,000円×0.1021=5615.5円

小数点以下は切り捨てて、源泉徴収の金額は5,615円になります。

クラウドソーシングの源泉徴収には注意

クラウドソーシングでは、多くの場合、フリーランスが運営会社に対してシステム手数料を支払う必要があります。その場合、システム手数料が引かれる前の契約金額が源泉徴収の対象となります。

例えば、契約金額が10,000円の案件で、システム手数料が契約金額の20%の場合について見てみましょう。

・《源泉徴収の金額》10,000円×0.1021=1,021円
・《システム手数料》10,000円×0.2=2,000円
・《実際に支払われる報酬額》10,000円-1,021円-2,000円=6,979円
システム手数料が引かれた後の8,000円に10.21%をかけないように注意してくださいね。

ちなみに、消費税は源泉徴収が引かれる前の10,000円が対象となるので800円です。

つまり、外税の場合、フリーランスが実際に受け取れる金額は6,979円+800円=7,779円ということですね。

源泉徴収の請求書への記入方法

次は、源泉徴収が必要な場合の請求書の書き方について解説していきます。

請求書に記入する項目の順序は以下の通りです。

1.請求する品名の小計
2.消費税
3.源泉徴収額
4. 請求合計金額(実際にクライアントが支払う金額)

ちなみに、源泉徴収が必要かどうかはクライアントによって異なります。

そのため、請求書を作成する前にクライアントに確認するようにしましょう。

金額の記載方法

源泉徴収額の計算方法についてはすでに解説しましたが、おさらいを兼ねて再度金額の計算方法について見ておきましょう。

ここでは、報酬額が10万円の場合について解説します。

10万円だった場合
・《請求する品名の小計》100,000円
・《消費税》100,000円×0.8=8,000円
・《源泉徴収額》100,000円×0.1021=10,210円
・《請求合計金額》100,000円+8,000円-10,210円=97,790円

請求合計金額は小計に消費税を足して、源泉徴収額を引いた金額です。

また、消費税も源泉徴収も、小計の100,000円が対象となるということを覚えておいてくださいね。

消費税を足した金額から源泉徴収額を算出したり、源泉徴収を引いた金額から消費税を算出したりしないようにしましょう。

源泉徴収されたら確定申告で手続きしよう

源泉徴収されたら確定申告で手続きしよう
そもそも、源泉徴収は所得税の支払い漏れを防ぐための制度。報酬をもらう際、あらかじめクライアントに天引きしてもらい納税しておくのです。

しかし、後から所得控除や必要経費を考慮すると、誤差が生じることがあります。

そのため、確定申告で手続きして還付してもらったり、追加納税したりする必要があるのです。

源泉徴収額の方が支払うべき所得税よりも多い場合、還付金としてお金が返ってきます。

逆に、源泉徴収額の方が支払うべき所得税よりも少ない場合、不足分を追加納税する必要があります。

手続きには源泉徴収票が必要

確定申告の際には、源泉徴収されたということを証明するために、源泉徴収票を提出する必要があります。

早めにクライアントに発行してもらうようお願いしておきましょう。

なんらかの事情により源泉徴収票が発行されない場合は、税務署で源泉徴収票不交付の手続きを行いましょう。

そして、給与明細などを基に自分で源泉徴収額を計算します。計算方法は、本記事で解説した方法を参考にしてください。

また、インターネット上で確定申告を行なえるe-Taxを利用する場合、源泉徴収票の提出は省略できます。

しかし、源泉徴収額を記入する必要があります。

そして、申告期限から5年間は税務署から源泉徴収票の提示を求められる場合があります。

そのため、いずれにしても源泉徴収票は捨てずに大切に保管しておいてくださいね。

フリーランスなら源泉徴収の知識が必要!

源泉徴収は、所得税の納め漏れを防ぐために、あらかじめ給与や報酬から天引きしておいてもらう制度です。

一見、難しく感じるかもしれませんが、実は計算方法は簡単です。

ただし、外税の場合やクラウドソーシングの場合はいくつか注意点があるので気をつけてください。

また、源泉徴収の金額によっては、確定申告の際に還付金が戻ってくる可能性があることも覚えておきたいですね。

自分で経理も行わなければいけないフリーランス。源泉徴収をマスターして経理を楽々行いましょう!